肩関節の痛みを解消したい!痛みの原因を知って適切な治療を行いましょう

肩関節が痛む場合には、肩関節周囲炎や腱板断裂が疑われます。確定診断には医師の診察が必要ですが、原因を推測するために、肩関節の痛みをともなう病気について確認しておきましょう。ここでは、肩関節の痛みをともなう病気の原因や症状、メカニズム、治療法などを解説します。

肩関節周囲組織の老化による肩関節周囲炎

肩関節周囲炎は、いわゆる「五十肩」と呼ばれる病気です。主に50歳代を中心にみられることが特徴です。肩関節周囲組織が老化によって衰え、明らかな原因なく発症します。症状は、肩関節の痛みに加えて、運動障害が起こります。

発症のきっかけとしては、軽度の外傷をくり返すことなどがあり、肩の不快感や疼くような痛みが現れます。基本的に、片側の方にのみ症状が現れ、一度回復すれば、同じ側の方に再発する可能性は低いとされています。このような特徴があるため、くり返す肩の強い痛みは別の病気が疑われるのです。

肩関節周囲炎(五十肩)の症状

肩関節周囲炎では、次のような症状が現れます。

運動時痛
肩や腕を動かすと痛みが起こるため、服の着替えや髪を乾かすなどの作業も苦痛になります。
夜間痛
夜中に激しい痛みが起こることがあります。
可動域の制限
痛みによって肩を動かす頻度が少なくなると、関節が拘縮(こうしゅく)して動きにくくなったり動かせる範囲が狭くなります。
腕が上がらない
可動制限によって腕が上がらなくなることがあります。

肩関節周囲炎は、発症から約2週間を急性期、そこから約6ヶ月間は慢性期となります。その後、回復期が訪れ、徐々に症状が和らいでいきます。

筋肉の破損による腱板断裂

外傷によって腱板断裂することがありますが、全体の半数程度とされています。残りは、明確な原因が不明なものです。日常生活において腱板断裂が起こることもありますが、女性よりも男性が発症しやすく、また利き腕となる右肩に症状が現れることが多いため、肩を酷使することで発症するものと考えられています。

なお、腱板断裂の発症要因は、肩関節が骨と骨の間に挟まれているという構造であることや、加齢によって腱板が老化することなどとされています。

腱板断裂の症状

腱板断裂を起こすと、動かすと痛みます。また、あまりに強い痛みによって眠れなくなったり、眠れたとしても夜間痛によって起こされたりします。他にも、腕が上がらなくなるなど五十肩と似た症状が現れます。五十肩と異なる点は、肩を動かすと音が鳴ったり、肩を上げた状態を維持できなかったりすることです。

なお、五十肩が肩関節の炎症によるものであることに対し、腱板断裂は筋肉が破損したものであるため、病気の種類が異なります。激しい痛みを感じた場合は、迷わず病院を受診しましょう。

肩の関節痛の治療

肩関節周囲炎は、自然治癒する病気と考えられています。回復期になると痛みが和らぐため、肩を動かせるようになります。そのため、自然に可動域の制限が改善されていくことが多いのです。回復期に入ってから完治するまでに1年前後が必要です。しかし、平均約7年が経過しても半数の症例に痛みや可動域の制限などの症状が現れているとの報告もあるため、1年を乗り越えれば必ず治るとは限りません。

病院での治療では、肩関節の痛みや可動域の制限などを和らげるために、薬物療法や理学療法、運動療法などを行います。

腱板断裂は筋肉の破損によるものであるため、自然に回復することはないとされています。薬で痛みを和らげることはできますが、断裂した部分を治癒するためには手術が必要です。

薬物療法

薬物療法では、主に非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を使用します。日常的に錠剤などの内服薬を使用することで、症状を和らげられることが確認されています。急性期での治療は、運動療法よりも薬物療法が適しています。

詳しくは、「関節痛の薬」をご参照ください。

運動療法

関節痛によって肩関節を動かすことに対して消極的になると、やがて関節が硬くなって動きにくくなります。運動療法は、肩関節周囲炎に適用されます。これは、肩関節が拘縮して可動域が制限させるのを防ぐとともに、可動域の制限の緩和を目的としています。運動療法は、慢性期に入って痛みが和らいでから開始します。通院ではなく、自宅で行えるコッドマン体操や棒体操などを中心に行うため、患者への負担が少ないことが特徴です。しかし、運動療法は筋肉の破損が原因である腱板断裂には適用しないため、ご注意が必要です。

自宅でのケアでは改善が見られない場合には、通院してリハビリを行います。また、運動療法と一緒に、温熱・冷熱療法や超音波療法によって、血行の改善や痛みの緩和、保温、筋痙縮(筋肉を伸ばすときの抵抗が強くなる)の軽減を目指します。

関節痛の症状

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