特集:関節リウマチ

30歳以上なら100人に1人がかかると言われる「関節リウマチ」。関節に痛みや腫れが生じる病気ですが、その原因は「免疫の異常」です。適切な治療を怠れば関節の変形にもつながり、歩行困難から「寝たきり」へと発展するケースもあります。実際に「リウマチ=寝たきりになる」と連想する方も少なくないのではないでしょうか。しかし、現在では痛みの軽減のみならず、積極的に快方を目指しつつQOL(人生・生活の質)を向上させることが可能です。

関節リウマチとは

関節リウマチとは関節の病気の一種で、免疫機能の異常が原因となり、手や足などの関節で炎症と痛みが起こります。

関節リウマチは30歳代〜50歳代での発病が多い病気です。若年層で発病するケースもゼロではありませんが、その場合は関節リウマチではなく「若年性特発性関節炎」(16歳未満の発病)の可能性も考えられます。ただし、こちらは関節リウマチの症状とは違っています。

さて、関節リウマチの患者数としては、女性が男性のおよそ3倍という多さになっています。中でも主婦の方が多いともいわれているので、30歳代〜50歳代の主婦の皆様は特に気を付ける必要があります。

関節リウマチの症状

関節リウマチの特徴的な症状は、左右対称の関節に症状が起きたり、全身の他の関節に同時に症状が起こったりします。症状が限られた関節だけに起こる変形性関節症とは異なります。

関節リウマチは変形性関節症と同じく、「腫れ」と「痛み」が起こります。ただし、変形性関節症の痛みは動くときに生じる一方、関節リウマチは動かなくても痛く感じます。

初期の場合は関節リウマチとは判別しにくい症状が多いです。貧血ぎみ、微熱、食欲不振などに悩むうちに関節リウマチの症状が出てくるというケースも少なくありません。関節症状が出始めると「腫れ」と「痛み」と共に、患部に水が溜まったり、さらに重症化ケースでは骨強直(骨がくっついて動かなくなる)が起きます。なお、後ほど詳しくご紹介しますが、指、手・手首、膝、肘など、手足の関節をメインとして症状があらわれます。

関節リウマチの痛みは複合的で、「炎症」「滑膜の増殖」「関節へのダメージ・破壊」が痛みの元となっています。治療も、関節リウマチの症状(痛みの度合いや進行レベル)を見て、決定されることになるのです。なお、関節リウマチは内臓を侵すケースもあり、この場合には肺、心臓、腎臓、胃ほか目などにも症状が出ます。具体的には「息切れ」「咳」「むくみ」「息苦しさ」「蛋白尿」「血尿」「胃痛」「食欲不振」「吐き気」「眼の白い部分の赤み」「眼の痛み」などがあらわれます。

関節リウマチのメカニズム・原因

関節リウマチの原因は完全に判明しているわけではありません。ただし「関節リウマチの患者には免疫系に異常がある」ということは確かです。
免疫とは外部からの異物を防御し、体内に侵入した異物を攻撃・排除する働きのことです。免疫機能が正常に働いているときは、身体にとって大変有益ですが、何かのきっかけで自分自身を攻撃し始めると、大きなダメージを与える要因となります。関節リウマチにおいて、なぜ免疫の異常が起きるのかという原因は不明です。一説としては、遺伝、もしくは細菌やウィルスなどの微生物感染が関係するとも言われますが、詳細は今後の研究を待たねばなりません。

なお、関節リウマチのメカニズムとしては、免疫の異常が「サイトカイン」という物質の生産へとつながり、関節内に炎症が起きます。それに伴い滑膜細胞の増殖(関節内面を覆う細胞)が、関節リウマチの腫れや痛みがあらわれるのです。

関節リウマチの発症場所

関節リウマチの発症場所は主に上半身の小さな関節から起こり始まります。

手指の場合、関節リウマチによる変形が起きるのは、第2関節、もしくは第3関節(親指以外)です。

手・手首

「尺側偏位」では、付け根の関節がずれるなどして、親指以外の手指が小指側に曲がります。これにより、手そのものの形状が変化したように見えるケースもあります。なお、手首の関節にも腫れやこわばりを感じる場合があります。

「屈曲拘縮」は膝を伸ばすことが困難になる関節リウマチ症状です。進行具合によっては安静時も痛みを感じます。

肘を伸ばすことが困難になる症状でこちらも「屈曲拘縮」の1つです。なお、肘の外側にしこり(皮下結節)が認められることもありますが、その場合は肘に大きな負担がかかっていた疑いもあります。

関節リウマチの予防

関節リウマチの予防には、ウィルス感染をできるだけ防ぐ事が有効とされています。手洗い・うがいをきちんと行い、季節の変わり目などは気をつけたほうが良いでしょう。それから、喫煙者は関節リウマチの発症率が高いとも言われていますので、 禁煙も関節リウマチの予防になると期待できるでしょう。

また、近年では「お口を清潔にキープすること」が、関節リウマチの予防になるとの説もあります。口腔内の雑菌が腸内の悪玉菌増加につながり、関節リウマチの原因になるというものです。歯磨きや、朝・食後のうがいが関節リウマチの予防になる可能性があるということで習慣にする価値はあるでしょう。

さらに、関節リウマチの悪化予防に大切なことは何よりも安静です。睡眠などを休養きちんととるように心がけることが重要といえるでしょう。それから関節リウマチの痛み予防には、保温(冷やさないこと)が大切です。秋〜冬はもちろん、夏場のクーラーや扇風機の風などにも注意してください。

関節リウマチの治療

関節リウマチの痛みを緩和

 
リウマチ治療の筆頭にあげられるのが「痛みの緩和」です。薬物療法・手術療法・リハビリテーションが治療の3本柱ですが、痛みの緩和には薬を使用します。

関節の痛みを緩和する非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の他に、関節・骨・軟骨へのダメージを抑えることで、関節リウマチそのものの進行を食い止めることができる抗リウマチ薬も登場しています。初期段階であれば、症状の緩和と共に、関節リウマチの症状がほぼなくなった状態(寛解)を目指すことも可能です。

関節リウマチの薬

関節リウマチの薬の効果は、病気の進行具合によっても変わります。早期から適切な薬を用いて治療を始めれば、リウマチの進行そのものにストップをかけることが期待できます。そんな関節リウマチの薬の目的は「関節機能の低下抑制=改善をめざすことを主目的とするもの」「痛みや炎症の抑制=QOLの維持を主目的とするもの」の2つに分けられます。いずれも長期的な服用が想定されるので、尿、血液、胸部X線の検査も定期的に実施されます。

関節リウマチの薬物治療で「非ステロイド性消炎鎮痛薬」「抗リウマチ薬」「副腎皮質ステロイド」「JAK阻害剤」「生物学的製剤」といった薬が使われます。これらの薬は「関節機能の低下抑制=改善をめざすことを主目的とするもの」「痛みや炎症の抑制=QOLの維持を主目的とするもの」の2種類に分けられます。

まず、前者に該当する薬が「抗リウマチ薬」「生物学的製剤」「JAK阻害剤」です。こちらが関節リウマチの薬物治療におけるメインの薬と言えるでしょう。
後者に該当する薬が「非ステロイド性消炎鎮痛薬」(炎症や痛みの改善。エヌセイドとも呼ばれる)、「副腎皮質ステロイド」(強力な炎症抑制効果が期待できるが副作用の心配も)で、前者の薬に対するサポート的な役割で使用されます。

詳しくは、「関節痛の薬」のページをご参照ください。

まとめ

医学の世界は日進月歩ですが、それは関節リウマチの治療についても当てはめることができます。現在は、良い治療薬が登場していることで「関節リウマチの進行そのもの」を抑制することが期待できるようになっています。つまり、できるだけ早期に治療を始めた方が良いという事になります。逆に、最も避けるべきは「関節リウマチの症状がありながら病院に行かない」ということでしょう。

なお、関節リウマチの末期的な症状である「関節の破壊」は、最近ではこれまで考えていたよりも遥かに早く「発症1〜2年程度で急速に始まる」ということが判明していきます。現在のところ、リウマチの進行が抑制できても、破壊された関節を回復させることは困難です。 早めに、病院へ行けば単に痛みを取るだけでなく、快方へと向かい、以前と変わらない生活を送ることも期待できますので、ぜひ早めに適切な治療を始めましょう。

関節痛の症状

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