関節痛の予防・治療・対策

関節の痛みは症状が進むにつれて、安静時、あるいは慢性的に強い痛みを感じることがあります。そんな痛みをできる限り取り除くため、関節痛の治療法は進歩してきました。もちろん、関節痛の予防にも気を配ることが重要です。現在、効果的と考えられる予防法もあるので、きちんと確認しておきましょう。さらに、根本治療にはつながらないものの、関節痛の緩和が期待できる民間療法もありますので、併せてチェックしてください。

関節痛の予防法

サプリメント

関節痛の予防法に効果的なものの1つが「サプリメント」です。例えば、筋肉疲労の緩和に効果が期待できる「ビタミンB1」、傷ついた末梢神経に効果をもたらし関節の痛みを軽減する「ビタミンB12」、ほか、抗酸化作用によるアンチエイジング効果・血流改善による関節のこわがり解消が期待できる「ビタミンE」などは、関節痛の改善のみならず、予防目的でも選ばれます。

このほか、加齢とともにその量が減少する軟骨成分「グルコサミン」「コンドロイチン」も、関節痛の予防・改善にメリットが期待できます。健康食品の仲間であるサプリメントとしてはもちろん、医薬品としても販売されています。

上記のサプリメントのほか、炎症や痛みを和らげる鎮痛薬と併用するのが一般的です。詳しくは、「関節痛の薬」のページをご参照ください。

食事

関節痛を予防するためには、軟骨成分であるグルコサミンとコンドロイチンをしっかり摂取しておくことが望ましいです。

グルコサミンは、牛・豚・鳥などの軟骨ほか、ウナギ、フカヒレ、オクラ、山芋などに豊富です。コンドロイチンは鳥の皮をはじめ、フカヒレやウナギ、なめこ、山芋、納豆などに豊富に含まれます。また、不飽和脂肪酸の1つである「オメガ3」には、炎症やアレルギーの抑制が期待できるため、グルコサミンとコンドロイチンを含む食材の調理に適していると考えられます。さらに、体を温め全身の血流を整えることで、関節の痛みを予防することが期待できるので積極的に摂取しましょう。具体的には、玉ネギ・生姜・ネギ・カボチャ・小松菜・ニンニクなどの野菜、アジ・イワシ・牛ぶた鳥のレバー、などの肉類や魚介類、そして豆類や穀物などが体を温める食材と考えられます。

なお、食べ過ぎで肥満した場合、足の関節にかかる負荷が増大しますのでご注意ください。例えば膝については、普通に歩いただけでも体重の3倍の負荷がかかるとされていますので、体重が5kg増えると膝への負荷は15kgも増えます。関節痛予防に効果が期待できる食材は多くありますが、カロリー過多には気をつけて食べるようにしましょう。

運動・生活習慣

運動は、関節周りの筋力を強化することで、関節に直接かかる負荷を軽減させることが期待できます。同時にストレッチをしっかりとおこなば、関節の可動域を広げることで運動機能の改善も期待できるでしょう。手軽にできる運動としてはウォーキングがありますが、強度の高い運動ではかえって関節を痛める恐れもあります。また、太っている方は、もともと関節にかかる負荷が高いため、まず体重のコントロールで体重減少を目指すことが先決な場合もあります。(ただし水中ウォーキングなどは、肥満気味の方でも安全性が高いでしょう)いずれにしても、自己判断で運動をはじめず、医師に指導してもらうことが一番です。

このほか、日常生活においても多くの注意点があります。

主婦の方などはまず、家事の中で関節に負担のかかることがないか見直しましょう。中腰を長く続ける姿勢、手指の酷使などは避けてください。

それから、外出時に常に身に付けている靴もご自分にあっていないものでは膝や股関節に負担をかける原因となります。ハイヒールなどは避け、厚みのあるウォーキングシューズなどを選ぶと良いでしょう。

加えて、血行が悪くなると関節痛も悪化しますので、体を冷やさないようにご注意ください。

そして、もし和式の生活をされている方は、様式に変えることで関節への負担が軽減できるケースがあります。例えば、和式便所は膝への負担が大きいので、特に高齢者の場合は様式に変えることが望ましいです。また、正座などで座るよりも、椅子に座るほうがやはり関節の負担は少なくて済みます。

なお、関節リウマチの自覚症状がある方は、お酒を控えるべきと言われています。普段お酒をよく飲む方は、関節に痛みを感じた時点で控えることが賢明です。

関節痛の治療法

薬物療法

関節痛に利用される薬は主に「内服薬」「外用消炎鎮痛薬」「関節内注入薬」の3タイプが存在します。

内服薬(飲み薬)
「内服薬」(飲み薬)の役目は、腫れや炎症の軽減、鎮痛、関節成分のサポートや、細胞のアンチエイジングなどです。具体的には「非ステロイド性抗炎症薬」(NSAIDs
)ほか、グルコサミン、コンドロイチンなどの服用が検討されます。
外用消炎鎮痛薬
「外用消炎鎮痛薬」の役目は、皮膚の上から塗ったり、貼ったりすることで、炎症抑制・鎮痛を見込むことができます。具体的な成分としては、インドメタシン、サリチル酸グリコール、フェルビナクほか、生薬があります。シップ、クリーム、軟膏などのタイプがありますが、シップの場合は症状によって冷感・温感タイプを使い分けます。
関節内注入薬
「関節内注入薬」の役目は、抗炎症作用・鎮痛作用(ステロイド)や、関節動作の円滑さをサポート(ヒアルロン)です。その名の通り、薬は注射器で関節へと注入します。

詳しくは、「関節痛の薬」のページをご参照ください。

物理療法(温熱療法・寒冷療法)

慢性的な関節の痛みには、温めること(温熱療法)が効果的とされています。筋肉のこわばりを取り、血行を改善することで、痛みの緩和が期待できます。

ぬるめのお湯で温めたり、70℃前後のお湯を入れたゴム湯たんぽを当てることも効果的です。もちろん、お風呂にゆっくり入ることも筋肉のこわばりや血行の改善につながります。

急な関節の痛みには、冷やすこと(寒冷療法)が効果的とされています。これは急激に起きていると考えられる炎症を鎮めるためです。

なお、先ほどご紹介した外用薬の「シップ」にも、冷感・温感タイプがあるため、温熱療法・寒冷療法に使用することができます。ただし、温熱療法・寒冷療法のいずれの場合も、不快感が出た場合は中止し、医師にアドバイスを受けましょう。

装具療法

関節の痛みが発生している箇所ごとに、サポーターや足底板、機能的ひざ装具、杖などを使用します。腱鞘炎などの場合には、一定期間手指を固定するケースも多いでしょう。さらに、膝や股関節への負担を軽減する目的で杖を補助的に用いることもあります。

運動療法(リハビリテーション)

筋肉の柔軟さを回復し、同時に関節周りの筋力強化を狙います。 さらに、血行改善も重なることで、 固くなった関節の痛みの軽減が期待できます。

なお、運動療法(リハビリテーション)は、激しい運動ではなく、無理なく大きく動かすことが基本です。 すでに関節痛の症状が出ている方は、自己判断で始めず、必ず医師の指導を仰いでください。

手術療法

手術療法は、関節痛の最終的な治療法と言えるでしょう。多くは薬物療法やリハビリテーションから始めますが、症状の緩和が見込めない場合・症状がさらに悪化している場合などには、手術が検討されます。

術式としては「炎症のもととなる箇所(滑膜など)を切除する手術」「関節の機能再建手術」などがあります。関節の機能再建手術の中には「人工関節置換」「関節固定」「切除関節形成」などいくつかの方法が用意されています。

なお、肩、肘、手、指など上半身でおこなわれる関節痛の手術は「身の回りのことができるようになること」が1つのゴールとなります。また、股、膝、足など下半身でおこなわれる関節痛の手術は「歩行困難の回復=歩けること」が1つのゴールとなります。

ほかの対策:民間療法

「指圧」「鍼療法」などが、関節痛緩和の民間療法として選ばれることが多いようです。
ただし、民間療法は経験・伝承による方法で行われる治療法なので、医学的なエビデンスの取得はないかもしれません。

まとめ

関節痛の予防・治療・対策には多くの方法があります 。適切な方法で、できるだけ早く改善を目指しましょう。ただし、自己判断は関節痛悪化の危険も伴いますので、きちんと医師に相談してください。

関節痛の症状

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