疾患別でみる関節炎

関節炎とはその名の通り、何らかの原因によって関節部分に炎症が生じ、痛みや腫れ、変形などが起きる病気です。関節に炎症を起こしている原因ごとに違った病名が付けられています。今回は、多くの方を悩ませる関節症を疾患別で確認し、症状や発症場所、原因、予防方法、治療などに基づいたそれぞれの特徴をチェックしていきましょう。

関節リウマチ

関節リウマチの症状は、関節の腫れや痛みのみならず「関節や筋肉のこわばり」として起きるケースも多いです。この他、倦怠感、発熱、貧血などの症状も多く見られます。この他、肺の炎症、目の炎症、血管の炎症(リウマイド血管炎)など関節以外の炎症が起きる場合もあるのです。このように関節リウマチの発症場所は、全身に及びます。必ずしも、はじめから全身に発症するわけではなく、上半身の小さな関節(手、指、手首など)から発生し、股関節などまで痛みが広がるケースも多いです。症状の進行は体の左右で必ずしも一定ではなく、異なる場合もあります。

そんな関節リウマチの原因は、免疫の異常です。本来、ウイルス・細菌・異物などに向かうはずの攻撃が、自分自身に向くことで、関節の滑膜などに炎症・破壊などが起こります。変形性関節症とは症状でかなり似た部分もありますが、このように免疫の異常が原因である点は関節リウマチ独自の特色です。
関節リウマチの予防方法は、ウィルス感染を防ぐことで、うがい・手洗いも効果的です。さらには禁煙による予防効果も期待できます。
関節リウマチの治療は、薬物治療をはじめ手術まであります。薬は主に炎症を引き起こす物質の生成を抑え、痛みを和らげる非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を使用されています。
また、薬物治療の治療においては痛みの緩和のみならず、「抗リウマチ薬」などでリウマチ進行そのものを抑制することもできます。いずれにしても、早めに治療を始めるほどリウマチ改善が容易になると言えるでしょう。関節の変形は1度起きると、手術でも元通りにするのは難しいです。やはり悪化しないうちに病院へ行き、適切な治療を始めることが重要と言えます。

関節リウマチの手指の変形は、親指以外の「第2関節」「第3関節」で起きます。足の外反母趾(親指が外側に曲がる)などが起きるケースもあります。触れると熱を帯びていることもあり、腫れ・痛みは、数週間〜数か月にかけて少しずつ起きてきます。
手・手首
手指の関節リウマチを放置することで、手や手首に症状が広がるケースがあります。
「屈曲拘縮」という症状が現れ、膝を伸ばすことが困難になります。これに伴い、階段の昇降、立ち上がりが難しくなったり、このような動作が無いときにも痛みを感じるケースも出ます。
屈曲拘縮は肘にもあらわれます。また関節リウマチでは、肘の外側など、関節の中でも圧迫が加わりやすい部位に「しこり」(皮下結節)が 見られるケースもあります。

詳しくは、「関節リウマチ」のページをご参照ください。

変形性関節症

変形性関節症の症状は、痛みや腫れ、さらには関節の変形が見られます。

変形性関節症の発症場所としては、膝や股の関節などで多いです。中でも膝関節に症状がもっとも出やすいと言われているので、膝の使いすぎ・ケガなどには注意しましょう。実は、膝への負担は体重に比例し「歩行時に3倍」「走行時に10倍」もかかります。仮に、5kg体重が増えると、歩く時の膝への負担は15kgも余分にかかり、走ったときにはなんと50kgも多くかかることになります。肥満している方がダイエットのためにジョギングなどをはじめると、膝を痛めることもありますが、それはこうした理由からです。このように「比較的限定された箇所で症状が出る点」は、全身症状が出る関節リウマチとは大きく異なる点と言えるでしょう。変形性関節症で全身症状が出る可能性はゼロではないものの、比較的少ないとされています。

そんな変形性関節症の原因には、加齢による関節の変形、肥満による関節の負担増、けが(関節の使いすぎ)などがあります。つまり、それらが複合的に「関節への負担増」を招くことで、関節のすり減りが起き、痛みが生じます。

変形性関節症の予防方法としては、コンドロイチン・グルコサミンなどの軟骨成分の摂取ほか、体重のコントロール、適度な運動習慣などが挙げられます。それから「関節に負担をかけない生活習慣」を心がけることも大切です。45才より下の年齢では男性が、55才以上の年齢では女性が多くなると言われているため、50代を迎えて主婦の方は良く気を付ける必要があります。

変形性関節症の治療は、薬や運動療法から検討されます。薬物療法で症状を緩和し、運動療法で関節周辺の機能・筋力強化を目指します。この他、関節への負担軽減の目的で、杖などの装具が使われることも多いです。しかし、症状の改善が見込めず、あるいは悪化している場合などには「関節鏡視下手術」「人工関節置換術」などの手術が検討されます。

詳しくは、「変形性関節症」のページをご参照ください。

痛風

痛風の症状は、節々の激痛や腫れです。最終的に痛みの範囲が広がり、腎臓の病気や尿路結石へとつながります。

痛風の発症場所は、まず「足の親指の付け根」で、激痛や腫れが起きることではじまります。症状の一時的な緩和や再発も多く、足首、膝などの関節へ、さらには全身のどこかの関節へ痛みが発生します。

そんな痛風の原因は「プリン体のとり過ぎ」です。プリン体とは、旨み成分の1つで、分解時に尿酸が発生します。つまり、プリン体のとり過ぎは血中尿酸値を高め、結晶化した尿酸の刺激などで、関節に炎症が起きるとされています。ただし、環境要因だけでなく遺伝要因も関係しますので、専門医と共にきちんと原因を把握・治療することが重要です。

痛風の一番の予防方法は、痛風のサイン(足の親指の付け根の激痛・高い尿酸値)などを見逃さないことです。もちろんプリン体を多く含む食材(アルコール、肉、魚など)の食べ過ぎに気を付けましょう。さらに、適度な運動、こまめな水分補給(無糖でカロリーゼロの飲み物で)、そしてストレスを溜めないことなどが効果的とされます。痛風は20代からでも充分に発症する可能性がありますので、生活習慣に気を付ける必要があるでしょう。

痛風の治療には、良い薬が登場しています。早期から適切な治療を行うことで、改善が見込めます。

そのほかの病気

関節に化膿と炎症が起きる病気を「化膿性関節炎」と呼びます。何らかの原因で細菌が関節で侵入したことが原因ですが、多くの場合、怪我が原因であると考えられます。痛みや腫れほか、症状の進行で関節の破壊など、変形性関節症と似た症状が発生します。

また、肩周辺の関節に持続的な炎症が起きる病気を「肩関節周囲炎」といいます。一般的には「四十肩、五十肩」の名前で知られている症状です。その名が示すとおり、加齢が大きな原因と考えられており、肩を上げる時に痛みが出たり、動かせる範囲が限定されるなどといった症状が出ます。 肩の筋力トレーニング、ストレッチが回復にとって大きなメリットとなりますが、負荷が強すぎると逆効果となります。必ず医師など、専門家の指導のもとで行う必要があるでしょう。

このほか、老若男女が1度は経験していると考えられる「捻挫」も、関節炎の原因の1つです。これは、人体に無理な負荷がかかることでダメージを受けている状態です。 多くの場合、湿布などを貼り安静にすることで改善しますが、靭帯が切れてしまった場合には手術での再建などが必要となります。

関節痛の症状

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