関節痛の症状

人体の骨は、200本以上存在しますが、骨と骨の間の部分が「関節」です。この関節部分は140以上ありますが、そこに痛みが生じる病気を「関節痛」と言います。関節は自由に動かせる反面、骨と骨の間の軟骨、関節周辺の組織(筋肉や腱など)、神経(運動神経、知覚神経など)にトラブルも生じやすいと言えるでしょう。これら、関節を構成するどこか一部分に異常が起きるだけでも痛みが症じることもあります。ただし、関節の異常に伴って起こる症状は痛みだけとは限りません。関節痛の原因となる病気によっては、腫脹、疼痛、発赤、熱感、こわばり、むくみ、疲れ、頭痛、下痢、吐き気、不眠など、などが起きる恐れもあります。今回は、そんな関節痛の症状を詳しくみていきます。

関節炎は2種類に分けられる

急性・慢性

関節炎の状態は「急性か慢性か」「単関節なのか、多関節なのか、少数関節炎なのか」の2種類に分けて判断できます。

まず「急性か慢性か」についてです。急性関節炎はその名の通り、痛みなどの症状が急速に現れます。例えば「痛風」などは、足に親指に発赤、腫脹、熱感、痛みなどが急激に出てきます。
反対に、慢性の関節炎は、軽めの痛みが長い期間をかけて次第に大きく、あるいは広範・頻繁に現れます。例えば「変形性関節炎」「関節リウマチ」などは、その代表例と言えるでしょう。急性関節炎とは異なり、慢性の関節炎はX線で異常を発見することができます。

多関節炎・少数関節炎・単関節炎

関節痛の症状は、1度に1カ所だけ出るとは限りません。
まず、1カ所の関節のみに症状が出た場合は「単関節炎」と呼ばれます。一方、3カ所以上の関節に症状が出た場合は「多関節炎」と呼ばれます。おおむねは関節炎は「単関節炎」「多関節炎」で区別しますが、その中間(2カ所の関節に症状が出た場合)に対しては「少数関節炎」と呼ぶこともあります。

以上の「急性か慢性か」「単関節なのか、多関節なのか(少数関節炎なのか)」の分類を組み合わせることで、関節痛の原因となる病気を推察することが可能です。

急性の多関節炎
急性の多関節炎では、「細菌性関節炎」「ウイルス性関節炎」「慢性多関節炎(初期症状)」などが考えられます。数時間〜数日程度で、症状が進んでいきます。
急性の単関節炎
急性の単関節炎では、「痛風」「偽痛風(尿酸ではなくピロリン酸カルシウムで起きる関節痛)」などが考えられます。この他、外傷(ケガ)による関節痛も急性の単関節炎の1つであることが多いです。
慢性の多関節炎
慢性の多関節炎では、「関節リウマチ」が多く、「膠原病」(リウマチ性多発筋痛症、全身性エリテマトーデスなど)などがまれに見られます。
慢性の単関節炎
慢性の単関節炎では、「変形性関節症」ほか「結核性関節炎(股関節に多い)」「無腐性骨壊死(大腿骨頭に多い)」などが見られます。

一般的な局所症状

腫れ・痛み

関節痛で最も多く見られる症状は、「腫れや赤み」です。変形性関節症、関節リウマチなどで、関節や骨が大きく変形するにつれ、痛みや腫れが強くなることも多いです。

こわばり

関節痛に伴って、手足に硬さや動かしにくさが現れる症状です。腱の炎症が原因であることも多いですが、関節リウマチにおいては関節部分の変形前にこわばりを感じるケースが多いようです。このほか、朝方にこわばりが感じられるという方は多いです。症状が進むと、肩、お尻、首、腰、など広範囲に痛みとこわばりが生じます。こわばる時間が長くなると、症状が進んでいるサインと言えますので、速やかに病院を受診すべきです。

むくみ

関節痛の代表的な症状の1つに、むくみがあります。

例えば、関節や筋肉の痛みやこわばりが特徴的なリウマチ性疾患を含む「膠原病」の一種に「強皮症」があります。強皮症では、血行不良による「冷感」「皮膚の変色」から、手指が腫れる「むくみ期」へと進行することが知られています。

また、関節に水(関節液)がたまる「関節水症」でも、関節部分にむくみが生じたような状態になるケースがあります。関節液は、関節動作の円滑な動きをサポートする働きを持つ粘り気のある液体です。通常は、関節液の新陳代謝が行われ、その量は一定に保たれています。しかし、関節液を作り出す滑膜(かつまく)に、何らかの原因で炎症が起きてしまうと、関節液の過剰分泌が起こるのです。これにより、関節に水が溜まったような状態となりますが、この「関節が不安定な状態」が持続すること自体が刺激となり、更なる痛みや関節液の分泌をもたらすという悪循環を生み出します。炎症のそもそもの原因としては、変形性関節症・関節リウマチ・痛風などの疾患ほか、老化、ケガや事故によるダメージなどが挙げられます。なお、関節水症は比較的膝に起きやすく、いわゆる「膝に水が溜まった状態」となります。単にむくみ単体の症状ではなく、その影にある病気や患部の炎症を疑う必要があると言えるでしょう。

関節痛が伴うほかの全身症状

発熱

関節の痛みが炎症によって引き起こされている場合、その反応として患部に熱を帯びることがあります。一方、関節の痛みとともに、全身の発熱が生じる場合があります。これは、関節痛によって発熱が起きたというよりも、風邪によって関節の痛みとともに発熱が引き起こされていると考えられます。 風邪のウィルスが侵入すると、免疫細胞はそれと戦いますが、これが発熱や関節の痛みの原因ともなっているのです。

疲れ

意外なことに疲れ(疲労)も関節痛と深い関わりのあるケースがあります。疲労は、自律神経を乱れさせるため、さまざまな症状が生じますが、その一つが関節痛です。 また、はっきりとした原因がわからず、強い疲労感が半年以上続く慢性疲労症候群の症状の1つにも関節痛があります。この場合、単に関節痛の治療だけではなく、疲れの元となっている病気、あるいは精神的な要因を特定し、治療ケアすることが必要となります。

頭痛

頭痛とともに関節痛の症状が出ている場合は、風邪やインフルエンザが疑われます。実は、関節痛と頭痛の併発は、これらの病気の代表的な症状なのです。このほか、月経前症候群(PMS)の多岐にわたる症状の中にも、頭痛と関節炎があります。

下痢

下痢とともに関節痛を併発している場合には、胃腸炎の疑いがあります。中でも、細菌やウィルスなどが原因の感染性胃腸炎を疑う必要があります。例えば、カンピロバクターやノロウィルスなどといった感染性胃腸炎では、下痢とともに、発熱、腹痛、嘔吐、そして、関節痛を併発することがあります。もしも、感染性胃腸炎が下痢と関節痛の原因では無い場合には、疲労や体調不良による自律神経の乱れが疑われます。

吐き気

吐き気と、関節痛が併発している場合には、やはり風や感染性胃腸炎などの疑いが考えられます。このほか、月経前症候群(PMS)の多岐にわたる症状の中にも、吐き気(嘔吐)と関節炎があります。 女性の方で、月経前に吐き気と関節痛に襲われる場合には、産婦人科を受診してみましょう。

痛みに伴うほかの影響:不眠

病気に伴う不眠症で悩む方は多く、人口の200人に1人程度の割合で存在すると言われています。 なお、国内の関節リウマチ患者数は、およそ70万人と言われていますが、その60%以上の方が不眠を訴えているとも言われています。不眠は、日中の生活に大きな支障を及ぼすとともに、慢性的な疲労や、それに伴う別な病気を誘発する恐れもあります。もちろん、痛みが大きくなるほど、不眠になる確率も高いと推察されますので、早めの治療が重要となるでしょう。

まとめ

関節痛は、痛みだけが症状ではなく、腫れ、こわばり、むくみをはじめとする数々の症状が存在することがお分かりいただけたでしょう。 これらは、関節痛の原因となっている様々な病気の中から、疑わしいものを特定する上で役立ちます。

また、関節症の症状が急速に現れているのか(急性か)、あるいは長い時間をかけて現れてきたのか(慢性か)ほか、症状が何箇所出ているかという点も、 病気を正しく診断する上で重要なポイントとなります。 このページを今一度よく読み、ご自分の 関節痛の症状をよくチェックしたうえで、信頼できる専門医のいる病院を受診してください。

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