更年期と産後は関節痛になりやすい?その原因と対策を紹介します

関節リウマチは、更年期や産後に起こりやすい病気です。これは、関節リウマチが女性ホルモンの減少によって発症するためだと考えられています。また、ただの関節痛も同じようなタイミングに起こることがあります。そのため、関節痛の種類の鑑別のために病院で検査を受けなければなりません。ここでは、更年期や産後に関節痛になりやすい原因と対策を解説します。

女性ホルモンと関節痛の関係

関節痛に悩む女性の数は、男性の約4~5倍といわれています。特に、30~50代の女性が発症しやすいため、女性ホルモンの変化が関節痛の発症に関与していると考えられています。女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあり、このうちエストロゲンには生殖機能の他に骨代謝や脳・中枢神経機能などを調節する働きもあるのです。

そのため、エストロゲンが欠乏すると、これらの機能を調節することができなくなり、関節痛をはじめとした様々な症状が現れる可能性があります。女性ホルモンは、妊娠や更年期などで変化するため、これらのタイミングで関節痛が起こることが多いのです。

更年期・妊娠による関節リウマチ

関節リウマチを心配して病院を受診する方の中では、閉経前後の女性が多いとされています。エストロゲンは、閉経の前後である更年期に入ると必ず低下するものであるため、関節痛を訴える方が多いのです。関節リウマチの原因は解明されていませんが、関節リウマチになりやすい遺伝子を持っている場合において、ウイルスや細菌の感染、ストレス、外的要因などが影響し合うことで、関節リウマチの発症に向けて状態が進行していくと考えられています。

そして、更年期にエストロゲンが低下すると、自らの免疫が自身の組織にダメージを与える「自己免疫」が起こり、関節リウマチが発症するとされています。

妊娠においては、出産後に関節リウマチが起こりやすいとされています。妊娠中には、血液中のエストロゲン値が大きく上昇するのですが、出産後は大きく減少します。授乳中はエストロゲンが少ない状態が続くため、エストロゲンの機能を果たせないことによる関節痛や関節リウマチを発症する場合があるのです。

また、これらの症状が既に現れている場合には、悪化することもあります。

エストロゲンの低下によって、どのように関節リウマチを発症するのかは解明されていません。しかしながら、関節リウマチのような発症頻度に男女差がみられる病気に関しては、ほぼ間違いなくエストロゲンが発症に関与していると考えられます。また、関節リウマチの他の様々な膠原病の誘導にもエストロゲンが関与しているとされています。

エストロゲンの減少によって症状が現れるかどうかには個人差があるため、実際に更年期や出産を迎えなければ発症するかどうかわかりません。更年期や出産などを機に関節痛が現れた場合には、早期に病院を受診しましょう。早い段階で関節リウマチの確定診断を受けて、軟骨・骨破壊の進行を遅らせる抗リウマチ薬や非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の薬物療法などの治療を開始できれば、炎症を有効に抑えられ、完治できる可能性があります。

関節リウマチの発症部位や治療法、予防法について詳しくは、「特集:関節リウマチ」をご参照ください。

更年期症候群にともなう関節痛

更年期には、エストロゲンの低下にともない、様々な症状が現れる場合があります。これを更年期症候群といい、関節痛も症状の一つです。そのため、関節痛は40代後半~50代前半の女性によくみられます。更年期症候群は関節リウマチの初期症状と見極めが難しいのですが、リウマチ反応は陰性になります。

また、更年期による関節痛に対して抗リウマチ薬などによる関節リウマチの治療を適用しても、症状が軽快しない場合があります。

更年期症候群にともなう関節痛の症状は、朝に手足の関節が腫れているように感じ、動きにくくなるというものです。また、指に症状が現れたり、月経周期が乱れたりすることもあります。リウマチの症状と酷似しているため、安易な自己判断は禁物です。

リウマチと鑑別するために、ホルモン補充療法(HRT)を行います。HRTは、不足したエストロゲンを補充して、更年期症候群による諸症状を軽減することを目的としています。エストロゲンを補いホルモンバランスが整えば、エストロゲンによって各機能が調節できるようになるため、症状が改善するのです。指の関節やひじ、ひざなどの軟骨の代謝もよくなるため、複数部位の症状の改善が期待できます。

HRTは世界各国において、更年期症候群に対してのデータが蓄積されている安全性と有効性の高い治療法です。

明らかに関節リウマチによる関節痛の場合、HRTを適用しても症状が軽快することはありません。更年期症候群にともなう関節痛であれば、約2ヶ月で大きく軽快する傾向があります。そのため、関節リウマチと更年期症候群による関節痛の鑑別ができるのです。

関節痛の症状

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