肘の痛みは種類を特定して治しましょう!

肘が痛む場合、様々な病気が疑われます。また、肘を酷使する特定のスポーツを行っていることが原因で肘が痛む場合もあります。肘の痛みだけではなく可動域の制限や筋力の低下などまでも起こると、生活に支障をきたす恐れがあるので、早めに診断を受けて治療を開始することが大切です。ここでは、肘が痛む場合に考えられる原因や症状、治療法などについて解説します。

肘が痛くなる原因

肘が痛む場合において、関節そのものの障害が原因であることはそれほど多くありません。肘の周りには多くの筋がついていたり神経が通っていたりするため、それらが刺激されて肘に疼くような痛みが現れることが多いのです。

肘の関節は、曲げたり伸ばしたりするだけではなく、内側や外側に回すといった特殊な動きも行うため、複雑な構造をしています。それだけ、様々な原因で障害されやすいのです。

変形性肘関節症

変形性肘関節症には、加齢によって起こるとされている原因不明の一次性変形性肘関節症、特定の原因によって起こる二次性変形性肘関節症があります。二次性変形性肘関節症の原因としては、肘関節内骨折や脱臼、野球や大工仕事など日常的に肘の関節を酷使することなどがあげられます。

また、関節炎や血友病、先天的な異常によるものなどもあるのです。二次性変形性肘関節症の多くは、日常的に激しいスポーツや肉体労働などによって継続的に肘を酷使してきた人にみられます。

変形性関節症の詳細は、「特集:変形性関節症」をご参照ください。

テニス肘とゴルフ肘

テニスやゴルフを日常的にしている方は、肘に問題が起こりやすいといわれています。肘の外側に炎症が起きたり部分断裂が起きたりするものを「上腕骨外側上顆炎」といい、テニス肘と呼ばれています。また、肘の内側に炎症が起きたり部分断裂が起きたりするものは、「上腕骨内側上顆炎」といい、こちらは別名を「ゴルフ肘」といいます。

テニスやゴルフをしている方によくみられるために、このような名称がつけられていますが、長時間のパソコンの使用や家事などによる肘関節の使いすぎでも起こることが多いのです。これらの病気は、手首や指を伸ばすときに使う筋肉の腱と二の腕の骨との接続部に起こる慢性的な炎症です。肘関節の酷使によって起こる筋肉と腱の変性に加齢が重なることで発症しやすくなります。

肘に繋がっている筋は、手の関節にまで伸びており、筋肉の弾力が低下した状態で負荷がかかると、肘と筋の接続部に炎症が起こるのです。

野球肘

野球をしている方に多い野球肘は、少年期から起こる可能性があります。成長期前半では肘の内側、成長期後半には肘の外側に問題が起こりやすいとされています。小学生で起こる野球肘は、投球のときに関節の内側が限界を超えて引き伸ばされることによって起こります。こうして発症した野球肘は、投球を数週間制限することに加えて再発予防のためのリハビリを行うと完治する場合が多いのです。

成長期後半にあたる中高生になると、外側型の野球肘である肘側副靭帯損傷に加えて、肘の外側にある骨と骨が当たることによって起こる外側型の野球肘を合併する恐れがあります。治療をおこたると、離断性骨軟骨炎をきたし、手術療法が必須となる場合もあるため、肘の痛みを訴えた場合は早期に受診が必要です。

投球時には、肘の内側に牽引力、外側に圧迫力がかかるため、組織が損傷されます。組織の損傷がくり返されることで、組織の修復が追いつかなくなると、内側側副靱帯損傷や内側上顆の骨端炎が起こり、場合によっては疲労骨折が起こるのです。その結果、肘に痛みが現れます。

肘の関節痛による症状

肘を使っていないときには、痛みを感じないことが特徴です。投球をしたときや重い物を持ったときなど肘に大きな負担をかけているときに限らず、手を握りしめたり吊り革につかまったりするだけでも痛むことがあります。また、ドアノブを回す、雑巾を絞る、フライパンを使うなど日常的に行う動作でも痛みを感じることもあるのです。

肘の関節痛の治療法

まずは、痛みを取り除くために、スポーツを控えたうえで安静にしなければなりません。そして、病院で薬物療法や物理療法、装具療法などの治療を受けることになります。

痛みを和らげる薬

炎症を鎮めることを目的として、消炎鎮痛剤(NSAID)などを使用します。強い炎症が起きている場合には、炎症を鎮める効果があるステロイド注射を行います。

物理療法

患部に対して物理的にアプローチをかける物理療法を行うことがあります。物理療法には、温熱療法や拡散型圧力波治療器を使った治療などがあり、症状によって適用する治療が異なります。

装具療法

テニス用バンドなど装具を装着して、関節に負担がかからない状況を作ります。

関節の可動域訓練

関節を動かさないままでいると、少しずつ可動域が減ってしまう場合があります。そのため、関節の可動域訓練が必要なのです。入浴の際に、肘を曲げてストレッチをしたり、前腕伸筋群をマッサージしたりします。

手術療法

保存療法で症状が改善しなかったり、生活に支障をきたしていたりする場合には、手術が検討されます。肘の離断性骨軟骨炎に対しては、肘関節モザイクプラスティーを適用します。この手術では、肘か膝から骨軟骨を採取して、肘の剥離箇所に移植します。

関節痛の症状

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